第41話
単独講和

 数日後。関西。

 秀吉がボロボロになって帰宅した。

秀吉「た、ただいま。いてて…」

兵士「うわっ。傷だらけじゃないですか!」

秀吉「リーゼントの40代にからまれた…」

兵士「だれですか?」

秀吉「知らないよ。いきなり襲われたんだもん」

 西暦1584年4月、秀吉は徳川家康と武力衝突し、敗れた。


 そのころ朝廷では。

朝廷の人1「最近、秀吉の勢い、すごいよね」

朝廷の人2「ああ、すごいね」

朝廷の人1「一応おれらも、ご機嫌とっといたほうが、いくない?」

朝廷の人2「だね。でも、どうやってご機嫌とる?」

朝廷の人1「官位でもあげるか」

朝廷の人2「いま、内大臣の官位ならあまってるけど、これでいいかな」

朝廷の人1「いいんじゃない? それ、あげよう」


 一方、家康と織田信雄のようす。

家康「さっきそこで秀吉をボッコボコにしてやりましたよ」

織田信雄「いいね〜。これからもどんどん頼むよ」

家康「わかりました」

織田信雄「ふたりで秀吉の天下を奪おう!」

家康「はい」

織田信雄「ところで。秀吉、びびってた? 泣いてた?」

家康「いや、泣いてたかどうか分かんないですけど」

織田信雄「秀吉のようす、見てこようかなぁ」

家康「危ないですよ。ぼくたちは今、秀吉と敵対モードなんですから」

織田信雄「変装して行くから大丈夫」

 織田信雄は変装して出掛けた。


 朝廷は秀吉に接近した。

朝廷の人1「秀吉さん、こんにちは」

秀吉「はい?」

朝廷の人1「どうも。朝廷です」

秀吉「ちょうてい?」

朝廷の人1「今日はプレゼントを持ってきました。なんだと思います?」

秀吉「さぁ…」

朝廷の人1「なんと、官位です!」

秀吉「……」

朝廷の人1「官位をあげます!」

秀吉「……」

朝廷の人1「…かんい」

秀吉「かんいって、なんですか?」

朝廷の人1「え」

秀吉「もしかして新しい詐欺かなんかですね」

朝廷の人1「ち、違いますよ」

秀吉「とにかく、そんな得体の知れないもの、いりません」

朝廷の人1「もらってくださいよ」

秀吉「そんなに誰かにあげたいなら…」

朝廷の人1「はい」

秀吉「あの人にでもあげてください」

朝廷の人1「あの人って?」

秀吉「ほら、あの木の陰にいる人」

朝廷の人1「あのいかにも変装って感じのサングラスをかけてる人ですか?」

秀吉「そうです」


 その夜。秀吉の家。

秀吉「今日ね、詐欺師に会ったさ」

兵士「えー、大丈夫でした?」

秀吉「あざやかに撃退してやった」

兵士「さすがですね」


 一方、織田信雄と家康の会話。

織田信雄「〜♪」

家康「何かいいことでもあったんですか?」

織田信雄「官位もらっちゃった。内大臣」

家康「すごいですね」

織田信雄「秀吉の口ぞえがあったんだってさ」

家康「秀吉の?」

織田信雄「うん。あいつ、いいやつだね」

家康「そ、そうですか」

織田信雄「さっき秀吉にお礼の電話してさ、すっかり友達になっちゃった」

家康「えっ。じゃあ、秀吉との戦いは…」

織田信雄「あ、そんなの中止」

家康「……」

 西暦1584年11月。織田信雄は、家康に無断で秀吉と講和してしまった。

家康「あの、信雄さん」

織田信雄「ん?」

家康「あなたが秀吉をやっつけたいっていうから、僕は秀吉にケンカを売ったんですけど」

織田信雄「お疲れ」

家康「……」

 家康は戦う理由を失い、矛をおさめた。

 こうして秀吉は家康に武力では負けたが外交で勝利した。

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ありけん