第42話
征夷大将軍
ここは関東地方。北条親子の会話。
北条家の父「ほらね」
北条家の子「なにがですか?」
北条家の父「家康、やっぱり丸め込まれたしょ」
北条家の子「そんな予想、一言もいってなかったじゃないですか」
北条家の父「心の中で思ってた。一日に7〜8回は思ってた」
北条家の子「口に出して言ってくださいよ」
北条家の父「まぁ、とにかく…」
北条家の子「はい」
北条家の父「秀吉は一筋縄ではいかない男だってことだよ」
北条家の子「そうですね」
北条家の父「だから、そんな手ごわいヤツを敵に回すのはやめて、素直に従おう」
北条家の子「従いません。ぼくが倒してみせます」
北条家の父「…その自信はどこから?」
北条家の子「秀吉にはハクがありません。見るからにただの一発屋です」
北条家の父「そうかな」
北条家の子「そうですよ」
北条家の父「ハクって例えば、なにさ?」
北条家の子「たとえば、征夷大将軍になるとか」
北条家の父「おぉ…」
北条家の子「秀吉が征夷大将軍に就任したら、ぼくも秀吉を天下人と認めますよ」
北条家の父「その話、うそじゃないよね?」
北条家の子「はい」
ここは関西。秀吉の家。
夜。北条家の父(北条氏政)から電話がかかってきた。
秀吉「ハイもしもし」
北条家の父「夜分すみません。秀吉さんですか?」
秀吉「そうですよ」
北条家の父「ご本人ですか? 間違いないですよね?」
秀吉「はい」
北条家の父「全国制覇をしたわけではないのに、勢いで天下人を名乗ってる、あの秀吉さんですよね?」
秀吉「……は、はい」
北条家の父「ぼく、関東で戦国武将をやってる北条といいます」
秀吉「あ、どうも」
北条家の父「じつはですね、うちの息子があなたをボコボコにしようとしてまして」
秀吉 Σ( ̄□ ̄;は?
北条家の父「やんちゃボーイで困ってるんですよ。なんとかしてください」
秀吉「いや、そんなの家庭でなんとかしてくださいよ」
北条家の父「すべては秀吉さん次第なんです」
秀吉「ぼく?」
北条家の父「あなたが征夷大将軍に就任すれば、息子はあなたをボコボコにするのを諦めるといってます」
秀吉「え、征夷大将軍って?」
北条家の父「よろしくお願いしますね!」
秀吉「ちょっと…」
電話は切れた。
秀吉「困った」
兵士「どうしたんです?」
秀吉「征夷大将軍って、なに?」
兵士「武士の一番えらい人ですよ」
秀吉「それにならないと、おれ、ボコボコにされるみたい」
兵士「えー、じゃあ、はやく手を打たないと!」
秀吉「でも、どうすればいいのさ」
兵士「征夷大将軍を任命するのは朝廷です。朝廷に働きかけましょう」
秀吉「うん」
秀吉の朝廷工作がはじまる。
しかし、ここで秀吉は重大なミスを犯す。
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ありけん