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第14話
爆発

ここは神様の国。

神様「ダビデ、うまくやってるかなぁ。ケータイに電話してみよっと♪」

ぷるるるるる…ぷるるるるる…(呼び出し音)

ダビデ「…はい」

神様「もしもし。おれです。神様で〜す」

ダビデ「…あぁ。神様」

神様「どうした? 声、暗いよ」

ダビデ「まあね」

神様「疲れてるの?電話やっぱ苦手でしょ。ごめんね、切るよ」

ダビデ「いや、もうちょい話してようよ、お願い」

神様「珍しいね」

ダビデ「あと5分でいいから」

神様「5分?」

ダビデ「そうしたらもう、話せなくなるから…」

神様「え?」

ダビデ「いつか、民衆さんが言ってた。『生きてる時間には限りがある』って」

神様「なんの話さ?」

ダビデ「僕ね、あと5分で死ぬんだって」

神様「?」

ダビデ「罠にはまっちゃった」

神様「罠って?」

ダビデ「時限爆弾」

神様「(*_*)! 待て。落ち着け。落ち着けよ」

ダビデ「落ち着いてるよ。もう、泣きつかれて、くたくただ」

神様「うちに爆弾解除のしかたの本、あるから、いま持ってきて説明してやる」

ダビデ「電話で説明されても、爆弾の解除なんて、僕、できないよ」

神様「おれがちゃんと説明してやるって」

ダビデ「僕、あんまし器用じゃないし…」

神様「器用だよ。世界一器用だから」

ダビデ「神様、ごめんね」

神様「なにが?」

ダビデ「ランチの約束、だめになっちゃったね」

神様「そんなのいいから。とにかく、本、取ってくる」

ダビデ「このまま話してようよ。もう、時間ないし」

神様「でも」

ダビデ「ひとりで死ぬのって、怖いからさぁ」

神様「……うん」

ダビデ「僕、エブス人たちに、悪いことしたよね」

神様「時代の勢いだよ。イスラエルが幸せになるためには、しかたなかったしょ」

ダビデ「でも、あの人たちを不幸にしちゃった」

神様「一人残らず幸せにしようだなんて、君は考えなくていい」

ダビデ「そうかなぁ」

神様「そういうのは、おれたちが考えるから」

ダビデ「そうだね。僕の手には負えない」

神様「君はイスラエルの王だからさ…」

ダビデ「うん」

神様「イスラエルの民衆を幸せにするために戦ったんだし。十分でしょ」

ダビデ「だといいけど」

神様「…言い残すことは?」

ダビデ「民衆さんたちを、頼むね」

神様「わかった」

ダビデ「ユダヤ人がこれからずっと、何世紀も何千年も幸せに暮らせるように」

神様「うん」

ダビデ「せっかくつくった自分たちの国を失わないように」

神様「うん」

ダビデ「変なやつに、いじめられないように」

神様「わかった」

ダビデ「いろいろ大変なことがあっても、最後にはちゃんと幸せになれるように。頼むね」

神様「うん」

ダビデ「もう、時間だ」

神様「……」

ダビデ「急に電話を切っちゃダメな約束だったよね」

神様「え?」

ダビデ「だから、今のうちに言っておくよ。さようなら」

神様「待てよ。もう少し…」

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神様「……」

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神様「…おい」

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神様「なんだよ…」

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神様「ずるいよ、ダビデ」

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神様「おれ、まだ、さよなら言ってないのにさ…」

ダビデの声は、ぷつりと切れた。


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