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第5話
ダビデを暗殺せよ

ダビデの家の呼び鈴がなった。ダビデはインターホンで応じた。

ダビデ「どなたですか?」

暗殺者「ピザ屋です。ドアを開けてくださ〜い」

ダビデ「ピザ? 頼んでないよ」

暗殺者「……じゃあ、そば屋です。開けてください」

ダビデ「そばも頼んでないし」

暗殺者「とにかく、ドア、開けてくださいよ」

ダビデ「知らない人はダメだよ」

暗殺者「じゃあ、友人の田中です」

ダビデ「田中さんっていう友達、いたかなぁ?」

暗殺者「います。僕です」

ダビデ「山田さんならいるけど…」

暗殺者「じゃあ、山田です」

ダビデ「なんだ、山田さんか〜。今開けるね〜」

ダビデはドアを開けた。

ダビデ「久しぶり〜。……あれ?」

暗殺者「どうも。山田です」

ダビデ「本当に山田さん?」

暗殺者「はい」

ダビデ「でも、名前が『暗殺者』ってなってるよ」

暗殺者「ギクッ…」

ダビデ「もしかして、暗殺者って書いて『やまだ』って読むの?」

暗殺者 わかってておれをからかってるのか…(心の声)

ダビデ「コーヒーでも飲む?」

暗殺者 暗殺者のおれを前にしてこの平然とした態度。すごい…(心の声)

ダビデ「ねぇ、素っ裸でリンゴをかじるのって、かっこいいかな?」

暗殺者 な、なにを言ってるんだ!?(心の声)

ダビデ「ねぇ、どう思う?」

暗殺者「暗殺者の私を前にしての平常心。恐れ入りました」

ダビデ「え?」

暗殺者「とても私のかなう相手ではありません。さようなら〜」

ダビデ「あ、ちょっと…。やまださん…」

暗殺者は立ち去った。


街の声。

民衆1「ねぇ、聞いた?」

民衆2「なに?」

民衆1「ダビデさんが暗殺者に襲われたらしいよ」

民衆2「で、どうなったの?」

民衆1「暗殺者はダビデさんにまったく危害を加えることなく、逃げ去ったんだって」

民衆2「ダビデさんの威厳に負けたんだね、きっと」

民衆1「きっとそうだよ」

民衆2「さすがダビデさん」

民衆1「うん。さすがだ」

民衆2「ダビデさんこそ、イスラエルの王にふさわしい人物かもね」

民衆1「そうだね」

この出来事で、ダビデの人気はいっそう高まった。


ダビデ「ねぇねぇ、神様」

神様「ん?」

ダビデ「『暗殺者』って書いて、なんて読むか知ってる?」

神様「あんさつしゃ」

ダビデ「いや、もうひとつの読み方」

神様「え? わかんない」

ダビデ「やまだ」

神様「????(・_・)」


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