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第7話
風呂上りのビール

荒野。

神様「今日はこのへんで野宿でもするか」

ダビデ「明日また就職活動しなきゃなぁ…」

神様「まあ、そのうちいい会社、見つかるさ」

ダビデ「金ないから、ケータイ、解約しようかな」

神様「え? ケータイ持ってたの?」

ダビデ「うん」

神様「なんだ、言ってよー。番号は?」

ダビデ「いや、もう解約するし」

神様「もったいないって。あったら便利でしょ。待ち合わせとか」

ダビデ「ケータイあんまり好きじゃないんだよね、もともと」

神様「なんで? 意味不明な絵文字があるから?」

ダビデ「いや…」

神様「酔った勢いでプリクラ貼っちゃったから?」

ダビデ「違うよ」

神様「あ、わかった。かなモードと数字モード間違えて、『お』って入力しようとしたのに、『11111』ってなるからでしょ?」

ダビデ「いや…」

神様「それ以外にどんな理由があるのさ」

ダビデ「ただ単にきらいなの。拘束されてるみたいで、話してても落ち着かないし」

神様「でもケータイ便利だよ。こうやって、ほら、最新のニュースも見れる」

ダビデ「まあ、そうなんだけどね」

神様「いろんなニュースがあるよ。…あ!」

ダビデ「どした?」

神様「すげぇビッグニュース発見!」

ダビデ「なに?」

神様「えーとね、ある人が死にました。さて、誰でしょう」

ダビデ「サウル王?」

神様「えー、なしてすぐ当てる〜?」

ダビデ「ホント? サウル王、死んだの?」

神様「一発で当てたらまずいって。タレントだったら、次の仕事こなくなるよ」

紀元前1011年。サウル王は海洋民族との戦いに敗れ、ギルボア山に自害した。

イスラエル史上最初の王はこうして歴史の舞台を去った。

神様「君の命を狙ってたサウル王が死んだから、これでイスラエルに帰れるね」

ダビデ「やっと自分のベッドで寝れる〜」

神様「帰ったらそっこう寝る?」

ダビデ「いや、まず風呂入ってね…」

神様「うん」

ダビデ「で、風呂上りにナイター中継見ながら、ビールかな」

神様「うわっ、おやじくさっ」

ダビデ「え、じゃあ、カクテル。カクテルでいいや。コンビニで売ってるやつ」

神様「安っ」

ダビデ「でね、網戸から虫の音が聞こえて…」

神様「うん」

ダビデ「夏の夜の匂いがするの」

神様「となりの家からも、同じナイター中継の声が聞こえたりしてね」

ダビデ「いいね」

神様「穏やかなひととき」

ダビデ「早く帰って、満喫しよう」

しかし、ダビデが穏やかなひとときを満喫することは、なかった。


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