第12話
打ち上げ花火
夏の夜。
真田幸村と友人は打ち上げ花火を見上げていた。
ヒュ〜〜〜、ドーン!
幸村「すげぇ! 見た!?」
友人「うん」
ヒュ〜〜〜、ドドーン!
幸村「あ、ほら! でけぇ!」
友人「見てるよ」
ヒュ〜〜〜、ドドドーン!
幸村「うぉ、きれい♪ 見て見て!」
友人「見てるって」
幸村「おれらってさ…」
友人「?」
幸村「昔っから戦いばっかりだったしょ」
友人「そうだね」
幸村「平和なのって、ウソみたいだよね」
友人「サルさんのおかげだね」
幸村「あといくつの夏を、こうやって平和に過ごせるのかな」
翌日。
ここはサル(豊臣秀吉)のお城。
幸村「サルさん」
サル「あ、幸村」
幸村「きのうの花火大会、見ました?」
サル「いや、忙しくて」
幸村「すごかったですよ。キラキラで」
サル「それよりさ…」
幸村「はい」
サル「いきなりだけど、なんだか寿命の予感」
幸村「寿命?」
そこへ死神があらわれた。
死神「どーもー。死神でーす♪」
サル「ほら来た」
幸村 Σ( ̄□ ̄;死神!
死神「お迎えに来ました。サルさん、そろそろ」
サル「わかった」
幸村「マジで寿命なんすか?」
サル「にぎやかで楽しい一生だったよ」
幸村「サルさん…」
サル「2世をくれぐれもよろしく」
幸村「(ToT) は、はい(涙)」
サル「じゃあね!」
1598年8月18日、サル(豊臣秀吉)は息をひきとった。
その夜。
真田幸村と友人の会話。
友人「……」
幸村「……」
友人「花火って、きのうだっけ」
幸村「うん」
友人「なんか、ずっと昔のことみたいだね」
幸村「……」
友人「こうやって、忘れていっちゃうのかな、いろいろ」
幸村「そんなことないって」
友人「?」
幸村「おれたち、この目で見たんだしさ。打ちあがって、花開いて、散って…」
友人「うん」
幸村「ドでかい花火だったね」
友人「にぎやかで、楽しくて…」
幸村「そう。だから忘れない」
友人「そうだね」
豊臣秀吉は散った。
天下はふたたび動きはじめる…
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ありけん